『生き直す』意味とは? 依存症本人の心を知りたい、依存症家族におすすめの本

レビュー

家族が「依存症」だったら?

 

「何か変」「何を考えているのかわからない」「何も信じられない」など家族としてはもう心と体が引きちぎれそうなくらい、気持ちがぐちゃぐちゃになることもあります。

 

家族だから信じたいのに信じられない。

 

たとえ本人が本当のことを話しても「またウソなんじゃないか?」と勘繰ったり。

 

 

そう、めちゃくちゃ心が忙しいんですよね…。

 


これって依存症家族・共依存妻あるあるで、よくあることなんです。

私もそうでした。あはは。

 

 


その忙しい精神を穏やかにしてくれ、『生き直す』意味を考えさせてくれるのが本書だと思います。

 

 

 

依存症本人の心のうちが包み隠さず書かれているので、もしかしたら不快に思う方もいるかもしれません。

 

ですが、依存症ご本人をはじめ離婚しないと決めた依存症家族、依存症とは何かを知りたい人にはピッタリな内容だと思います。

 

 

正直、高知さんのファンではありませんでしたが(笑)、ファンでない人の本にここまで感動するとは思いもよりませんでした。

 

 

失敗にも意味があり、その意味を知ることは生きるうえで大事なことなんだ。だから失敗を恐れず、自分らしく何度でも『生き直せば』いいのだと温かく受け入れてもらったような気がしたのです。

 

 

 

 

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『生き直す』意味とは? 依存症本人の心を知りたい、依存症家族におすすめの本

本書との出合い

私と本書との出合いはTwitterでした。

 

私のTwitterは依存症関係者を主にフォローしています。

 

ご存じの人も多いですが、Twitterは自分のフォローしている人が「いいね」をしたりすると自分が直接フォローしていない人のツイート(投稿・つぶやき)も見られる仕組みになっています。

 

本書にも出てくるギャンブル依存症問題を考える会理事長の田中紀子さんやその他の有名人・著名人のツイもガンガン流れてきます。その流れで、高知さんのツイも目に入ってきました。

 

 

 

 

 

スキャンダルを起こした有名人は不幸な生い立ちや逮捕前後の様子をメインに描いた暴露本が多いため、それに食傷していた私は、最初は「はいはい」と流していました。

 

今思えば、私も偏見を持っていたのかもしれません。

 

 

 

 

しかし、いくつもいくつも見かけるようになり、見るたびに「あれ?なんかやさしいなこのツイ」と感じるようになりました。

 

 

人間味が溢れている、温かい気持ちになれるような。

 

 

飾った言葉ではなく、等身大のそれなんだなと感じられるようになりました。

 

 

 

 

 

そして、本書が出版されるとフォロワーさんたちの「読んだ」「よかった」との感想ツイが一気に流れて来るようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

本書は今までの有名人の単なる暴露本や「お涙頂戴」不幸話、ゴシップではないのかもと感じ、私も手に取ってみたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

本書の内容

この本は依存症者がどんな考えをしているのか、回復の記録など依存症のリアルな真実が書かれた本です。

 

しかし、あくまでエッセイ本なので、専門医の医学書のように難しくはありません。ストーリーの構成がしっかり練られ、わかりやすい言葉でまとめてあるので、頭や心にスッと入ってきます。

 

 

 

 

さらに帯にあるように重い内容かと思いきや、「フフッ」と笑える要素も盛り込まれているのでスッキリと後読感もよく、今までになかった感じの依存症の本だと思います。



読んでみると今までのそれとは違う、話題沸騰の理由がハッキリとわかりました。

 

 

 

 

 

 

本書のテーマ

本書のテーマは「依存症は回復できる」「回復できれば人生は変わる」「生き直せる」です。

 

有名人が薬物依存で逮捕されると
「薬物所持、使用で逮捕された人の犯罪率は非常に高い」
「50歳を過ぎると、なおさら再犯率が高くなる」
などの報道がよく出てますが、

 

 

それは治療を受けていない人のパターンで、今までがあまりにも多かったためだと思います。治療を受けている人は再犯率が異なってくるデータもあるようです。

 


高知さんのTwitterで「今までの有名人とは何か違う」と感じていた理由はここでした。

 

 

なんと高知さんは依存症の回復に有名な12のステップをやり遂げ、依存症予防教育アドバイザーとしての資格も取ってしまいました!

 

 

<12のステップとは?> >>>詳しくはGAに行ってみたまで

やり遂げれば非常に回復できるのですが、その中でも苦戦する人が多いのが「棚卸し」という作業で、自分の過去を振り返るというものです。

その苦しみを乗り越えたから心に響くんだなぁ~と、しみじみ感じたのです。

 

 


このように依存症は治療すれば回復できる病気ではありますが、その治療の過程は苦しく、辛いことが多いのです。

 

依存症についての知識、回復後の生活や考え方が包み隠さず等身大の言葉で詳しくつづられています。

 

 

依存症は体に影響が出にくい「脳」の病気なので、自分が病気だと認めにくい「否認の病」ということ、認められないがゆえに治療に進むまでが根気を要すること。

 

そして、アダルトチルドレンなど依存症はなりやすい原因や環境は一応あれど、どんなに幸せそうに見える人でも心に小さい小さい隙間ができれば誰でもなりえる心や能の病気であること。

 



 

 

 

あらすじ

本編では2016年6月ラブホテルで愛人と一緒にいることろへ、大麻・覚せい剤所持の現行犯で逮捕されところから話は始まります。

 

逮捕されたときはすべてがスローモーションのように見え、「これでクスリをやめられる」とほっとした感情だったと書かれています。

 

そして出た言葉は「来てくれてありがとうございます」。

この捜査官へのお礼は当時各メディアで叩かれまくり、話題となりました。

 

 

高知さんはどんなウソをついたのか忘れないようアリバイノートまで作り、内心はいつバレるかと不安でいっぱいでしたので、もうビクビクしながら生きる必要がなくなったことに安心したようです。

 

依存症者はバレたときに、自白のときにほっとするとよく聞きます。
夫もそうでした。ギャンブル依存で借金を自白したときにもうこれでパチンコやめられると言っていました。

 

 


高知さん本人はほっとした一方、寝耳に水なのが元妻の高島礼子さんですよね。

 

 

逮捕の前日には京都で撮影をしていた高島さんと電話で落ち着いたら京都の撮影所に顔を出すと話していたというので、高島さんからしたらビックリですよね!


依存症者の妻としてギューっと心臓を掴まれるような、痛い気持ちが伝わってくるエピソードでした。

 


こうしてなんの落ち度もなく、幸せな結婚生活を送っていた家族に X デーは「突然」やって来るのです。ウソで塗り固める依存症者あるあるですですが、家族とすれば二の句が継げませんよね。

 


そして結婚当時から「格差婚」と報じられていましたが、実際はそうではなく対等で穏やかな結婚生活であったこと。

しかし、高島さんはトップ女優であったことから、高知さんも売れてはいたものの俳優業にかんする劣等感のようなものはあったのかもしれないとつづられています。

 

 

そして、取り返しのつかないことをしてしまったのか、高知さんは自分の愚かさを責めました。

 

しかし、高島さんを守るために自分がすべきことは…と、離婚届けを一方的に獄中から送り付けたと書いてあります。

 

それを受けて高島さんとの離婚が成立。

 

 

高島さんは後日記者会見に立ちますが、「同志でもあったし、親友でもあった」と涙こそすれ、毅然と思いやりのある話をされました。

 

高島さんは役柄そのままのイメージで凛としていますよね。
凛とした女性は本当に美しいです。

 

 

 

それから、留置所での生活や保釈時のマスコミとのカーチェイスを経て、裁判で「懲役2年、執行猶予4年」が下ります。

 

そして、たった一人での再スタートを切ることになります。

 


依存症に向き合うのは一人ですが、高知さんには多くの友人、依存症専門医の松本先生、先にも登場した田中紀子さんなど、協力者がたくさんいらっしゃいました。

 

それでも、保釈後の生活は想像以上に厳しく、孤独・寂寥感に耐えながら、棚卸しという振り返りを行いながら依存症から回復していく過程がリアルに描かれています。

 

 

 

幼少期の父母不在の祖母との生活、名門明徳義塾での野球部員としての高校生活、任侠の愛人だった母の自死…。

 

その後地元高知を出て東京での生活、俳優としての活動、高島さんとの出会い、エステ経営など高知さんの知られざる人生を、じっくりと読んでみてください。

 

 

 

印象に残った個所<依存症家族としての対応のヒント>

高知さんは「信頼するから任せる」とよく言っていました。

 

これは「俺に言われたら」うれしいはず、という男性や芸能人としての傲慢さから出ていたもので、ある日仲間からの一言で、相手がどう思うかという配慮に欠けていたことに気付きます。

 

 

「いえ、任せられても困るので一緒に考えてください」

「私たち、使用人じゃなく、バディ(相棒・仲間)なので試行錯誤するプロセスが大事なんですよ」

本書より

 

 

家族としてうれしいのは正直に話し合う「共感」だったり、相談して解決する「共有」ですよね。

 

 

「理想のキラキラ家族」でなくて全然いい。

自分たちなりに一番ほっと落ち着ける「自然な家族のかたち」のヒントが見つかるといいですよね。

 

 

 

 

著者のプロフィール

高知東生(たかち のぼる)

1964年12月高知県生まれ。1993年に芸能界デビューし、俳優としてNHK大河ドラマ『元禄繚乱』や『課長島耕作』、映画『新・仁義なき戦い/謀殺』など映画やドラマで活躍、バラエティに多数出演。

 

1999年女優の高島礼子さんと結婚。2016年6月24日、覚せい剤と大麻所持の容疑で逮捕。同年8月に離婚。現在、薬物依存症の専門病院や自助グループ「ギャンブル依存症問題を考える会」に関わりながら依存症問題の啓発に取り組んでいる。

 

 

2020年5月 ギャンブル依存症Twitterドラマ 『ミセス・ロスト〜インタベンショニスト・アヤメ』 / Twitter に出演。

 

 

 

 

 

まとめ

依存症を治す特効薬はありませんが、回復はできます。しかし、その過程は生易しいものではないかもしれません。

 

特に棚卸しと言われる作業が多くの人の鬼門のようです。

しかし、「〇〇のせい」ではなく、考え方の傾向や原因を突きとめるものであり、やってみたら以外と自分の謎がとけて面白いのです。

 

本人は<生きようとして依存し、依存のために生きられなくなった>のです。

 

そのときはそのときの最良の選択をして、これはよかったけれどその部分のやり方は間違っていたなど、「全部がダメだったわけではない」と認めること。


そうして、全否定を免れ、部分肯定ができるようになれれば、回復はもう少しです!

 

 

 

最後になりますが…なんと本書がブックオブイヤーを受賞したそうです。

 

 

 

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